「とっとりNOW」春号の舞台は「とっとり花回廊」です。
ドーム型の温室が巨大な宇宙船のように見えて一瞬どこか遠い星の景色のように見えました。
ウグイスと花にUFOを添えて、春の日常と未知の景色が交差する瞬間を描きました。
空のきれいな鳥取県はUFOの目撃情報も全国トップクラスです。
実は今季号「今の自分に一番描けなさそうなもの」を考えた結果、鳥取県のPRキャラクター「トリピー」だと僕の中で答えが出ました。ちょうどUFOから降りて来たような姿だったのです。
ゆるキャラのトリピーで自分の世界観を表現するなんて今の僕にはほとんど不可能です。
出来なさそうなことに挑戦した時ほど良い作品は生まれるので、一度自分に出来なさそうなことを思いついてしまったらもう逃げるわけにはいかなくなるのです。
編集長にトリピーをご提案した結果、トリピーでは池平さんの良さは出ないのではないかとお返事を頂き無事に却下となりました。
正直ホッとしましたが、トリピーから逃げずにご提案できた自信が今回の表紙を裏から支えています。
「とっとりNOW」の表紙を担当してこれで一年。
いつも編集長と全力で取り組み春夏秋冬を無事に最高の表紙でお届けすることが出来ました。
2年目も全力で頑張りますのでどうぞよろしくお願い致します。
「とっとりNOW」は鳥取県内の書店やセブンイレブンで販売されています。(315円)
こちらからお取り寄せもできます。ぜひまとめてコレクションしてください。
https://www.kouhouren.jp/user_data/aboutnow.php
最初に色鉛筆で描いたスケッチ。
トリピーの両脇にとっとり花回廊のPRキャラクター「ピロロ」と「ポロロ」も描かれています。
このスケッチを描いた時、僕だけでなく妻や息子までもが不安そうにしました。
しかし進むのが怖い時ほど逃げるわけにはいかないのです。
編集長が却下してくれて家族みんながホッとしました。
トリピーとの試合は先延ばしになりましたがこれでいつその日が来てももう大丈夫。
自分自身が一番自分に過酷な依頼をしておくことで、この先の苦しい場面でのワクチンになります。
完成した原画「春の宇宙船」