2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

80通の手紙

「80人に海の香りを嗅がせると、80通りの海になる。」 そのようにして僕は80通りの海になった。 とてもたくさんの10才の友達から、とてもたくさんの手紙が届く。 何度も消して書き直した後が見える。 コーヒーを入れて、アラジンの暖炉に火を入れて、ソファ…

15:15 国立新美術館に於いてバレンタインのお返しをわたす。 17:00 国立新美術館に於いてポンピドゥーの記憶を取り戻す。 18:00 その記憶をポケットに入れてアトリエに戻る。 18:20 サンドイッチを作る。 19:00 「幼稚園の壁に熊を切り貼りしたよ。」とサン…

駅の改札を抜けると夜桜が空の闇を味方につけて強く発光していた。 「世界中の人間の期待が僕一人に集中したとしてもかまわない。」 突然、桜が僕に手本を見せる。 「世界中の人間にそれは無理だと言われてもかまわない。」 僕も空を見上げて桜に言う。 「そ…

クジラとクラゲと最後の晩餐 2007 33.0cm×33.0cm キャンバス.油彩 🔴

おそろしく高い壁に ぶつかりたい

かわせみ

たんぽぽをたどって川沿いを歩いていると、4羽のカモが泳いでいたので、朝食のサンドイッチの時に切り落としたパンの耳を与えていると、天体望遠鏡のような大きなカメラを持ったおじさんが横に腰掛けた。 「趣味で小鳥を撮っているんです。」おじさんは言う…

鏡の使者 2007 33.0cm×33.0cm キャンバス.油彩.メディウム 🔴

鏡の自分を磨いて 世界を映す

マッコウクジラと列車の来ない駅

飛行機が胴体着陸に成功し、マッコウクジラが船を飲み込んだ頃、 僕達は小学校での授業を成功させた。 小説を読み終えたような達成感は3日も続かず、もう次の物語を求めている。 今はもう使われていない地下鉄の駅への入り口を見付けたとgo君から連絡が入る…

子供と先生と僕の線

授業が終わった夜、小学校の先生から電話があった。 その声は、最近聞いたどの声よりもわくわくしていて僕が命がけの散歩を終えた時の声そのものだった。 僕の絵やgO君のライブを見た後、3m×10mのキャンバスにみんなで線を描いた。 子供達は僕達の絵や音楽に…

船長と校長

眠りにつくといつのまにか僕は大きな飛行船に乗っている。 レバーを引くと、船は助走をつけ勝手に離陸した。 どう運転すればいいのか全く分からないけど飛行船は目的地に向かって飛び続ける。 フロントガラスから前を覗くと、ハイスピードで雲が迫り、揺れる…

月とバスタブ 2007 33.0cm×33.0cm 油彩.キャンバス 🔴

つかの間のお風呂に永遠の月が浮かぶ 経験の木が水を吸う

RadioSAKAMOTO と Polarbear

飲み込んだサケの骨が胃に刺さっただけなのに、白熊はそれを精神的な胃の痛みだと勘違いした。 そんな白熊だから、止めどなく降り積もる雪になす術も無く埋もれる。 そして今では地上の見えない雪の底で、寒さと重圧に押しつぶされそうになった。 氷と密着し…

ブライダルフェアの冒険

パリのお香を炊くと、死んだミノムシが生き返った。 「詐欺のようだね。」 ウエディングドレスを来た亜矢子がはしゃぐ。 ウエディングドレスの映像とモデルが必要だったので僕達はブライダルフェアにいる。 今日はもうすぐ結婚式を挙げる二人に完璧になりき…

ミノムシノハツユメ 2007 33.0cm×33.0cm キャンバス.油彩.メディウム 🔴

時に 世界に抱かれた金色の寝袋は 永遠の夢を落とす

確定申告の冒険

元気が無いついでに、一年で最も嫌な仕事、確定申告を済ませてしまう事にした。 去年一年分の領収書を一冊のノートにコラージュしていく。 もの凄い労力の割に対した作品は出来ない。 レシートのデザインの低さがやる気をどんどん消耗させる。 それでも何と…