80通の手紙

「80人に海の香りを嗅がせると、80通りの海になる。」
そのようにして僕は80通りの海になった。

とてもたくさんの10才の友達から、とてもたくさんの手紙が届く。
何度も消して書き直した後が見える。
コーヒーを入れて、アラジンの暖炉に火を入れて、ソファに座って僕も気合いを入れる。


「線が見えるようになりたいです。」
一人目の子が僕に言う。
「今わたしも線の上を歩いています。」
二人目の子が僕に言う。

僕は天に向かって万歳する。

「人生は歩むというけれど、挑戦するものだと思う。」
三人目の子が僕に言う。

ついに図工を超えた。と僕は思う。


この80枚の手紙を地面になった音楽家の上にも乗せてみよう。