うちわ展

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写真  木製、紙のうちわにアクリル絵の具


まあまあ良いものが多すぎる。
それらは見た目をきれいに磨き、かっこ良くスタイリッシュに振るまい、
僕たちを誘う。
ピカピカの表面と空っぽの中身。
アトリエのsofaに座って雑誌を見ていると玄関の呼び鈴が鳴った。


「はじめまして。浦島と申します。あなたがカメを助けたお礼に参りました。」
ドアを開けるとどこかの絵本で見かけたようなおじいさんが立っていた。


僕は表情は変えず心当たりをフル回転で検索した。


「僕が助けたのはカメではなくてクワガタです。
 それにお礼に来るのは本の中では浦島さんではなくカメだったはずです。」
僕は絵本を本棚から持って来ておじいさんに見せた。

「それは昔の話で今は違います。
 カメが言葉を話せなくなって以来、私がこの仕事を任されております。」
本の表紙を見ると確かに日本昔話と書いてある。

次の展開が読めず絵本を読み返していると、浦島さんは3枚のうちわを差し出した。
「この3枚のうちわに絵を描いて下さい。それが向こうの世界への切符となります。」


「うちわ展」最近ではあまり誘われなくなった全くかっこつけてない、
またはかっこつけることが出来てない展覧会のご案内だった。
さすが玉手箱を開けただけのことはある。と僕は思う。


「かっこつけないかっこよさです。そして是非中身にあなたを加えたい。」
とおじいさんは言う。



企画、主催者の皆様、僕は否定しているわけではなくその逆です。
中身に僕を加えたことで信じられない効果が生まれます。
お会い出来たこと、とても光栄に思っております。
みなさま、ぜひ素敵なうちわで夏をお過ごしください。




「うちわ展」 2011年 7.20(水)~7.30(土)


Gallery A BIENTOT
http://abientot.cool.ne.jp/


東京都墨田区吾妻橋1-23-30-101
アサヒビールの横の高層ビル、リバーピア吾妻橋ライフタワー1F)