水槽に合わせて金魚は大きくなる。
最強のライオンはそれ以上強くなりようがなかった。
退屈な日々を昼寝をして過ごした。
最速のチーターはそれ以上速くなりようが無かった。
退屈な毎日を昼寝をして過ごした。
ある日、二人の昼寝に選んだ場所が重なった。
ライオンはチーターに最速をかけて勝負を挑んだ。
ライオンは完敗した。
チーターはライオンに最強をかけて勝負を挑んだ。
チーターは完敗した。
退屈な日々は終わった。
一年後
前より強くなったチーターは前より早くなっていた。
一年後
前より速くなったライオンは前より強くなっていた。
ある日、二人の散歩のコースが重なった。
「僕はこの前、ハヤブサのスピードを超えたよ」とライオンが言った。
「僕はこの前、虎に勝ったよと」チーターは言う。
二人は世界中のハンター達の注目を集めた。
人間の作った銃の玉のスピードはチーターの何万倍も速く、火薬の力はライオンの何万倍も強かった。
二人は悩んだ。
「僕たちも銃を持つしかないのだろうか?でも銃の作り方なんて分からないね。」
「じゃあ聞きに行ってみるしかないね。でも撃たれるかも」
「大丈夫。僕は玉をよけれるよ。」
「なら大丈夫。僕は玉を止めれるからね。」
「それじゃ聞きに行かなくても良くない?」
「いつまでも止め続ける自信は無いよ」
「僕もいつまでもよけ続ける自信は無い」
最強と最速のプライドを捨ててハンターに尋ねた。
「すみません。銃の仕組みに着いて伺いたいんですけども。」
ハンター達は驚いた。「ライオンやチーターが話せるなんて知らなかった。」
その日は夜遅くまで、人間の世界の事、動物の世界の事、話が尽きる事は無かった。
「銃を持つ必要なんて何処にも無かったね。」