一雫の涙

というわけで僕は現実の世界にいる。     というわけで僕は夢の世界にいる。
ここでは未来が過去を作る。         ここでは過去が未来を作る。
ここでは何もかも想い通りには進まない。   ここではほとんどのことは想い通りに進む。
方法を変えたり試行錯誤を繰り返し、     方法を変えたり試行錯誤をしなくても、
どうにか前へと進む。            自然と前へと進む。
それは苦しくもあり             それは楽しくもあり
楽しくもある。               苦しくもある。
それに疲れると僕は眠る。          それに飽きると僕は起きる。

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世界中に降る雨のほんのわずかが、ダムに降り、
その中のほんのわずかが水道水になり、
その中のほんのわずかが人の喉を通り、
その中のほんのわずかが涙になるように。

時の循環の中で一雫の涙のような絵が描きたい。