僕はまた歩き始める。 僕はまた立ち止まる。
僕が動けば世界はさらに動く。 僕が止まっても世界は動く。
月が僕と同じスピードで移動しているかのように 雲は相変わらず雨を降らし
後をずっとついてくる。 流れは休む事無く下流へとそれを運ぶ。
僕は世界の動きに含まれながら 僕はその世界の動きに含まれてはいるけれど
位置を確かめるために空を見る。 意志を確かめるために前を見る。
(右上へ進む) (左上へ進む)
うまく説明出来ないので8の形に日記を書く。
「余計に分かりにくいね。」と絵の中の白熊が言う。
「だから君をこうして絵に描いてるんだよ。うまく説明しちゃうと描く必要がなくなる。」
僕は筆の先から白熊に語りかける。
「分かった。僕が伝えればいいわけだね。」絵の中の白熊が納得する。
「そう君が伝えればいいわけだよ。頼んだよ。たとえどんな相手であろうとも。」
「OK,たとえどんな相手であろうとも。」
僕の絵はいつも自信満々で旅立っていく。
黒い子猫が捨てられていた。