水圧の隙間

風に乗って上空に舞い上がる。
下を見た綿毛は愕然とする。
着地地点が見当たらない。
春が終わり、夏も終わって、秋が終わりに近づいた。

綿毛にとって、
コンクリートで固められた ただシンプルなだけの隙間は全く意味を持たない。

展覧会の片付けをしていると、
季節外れのたんぽぽの綿毛が一つ落ちてきた。

「隙間を一つ下さい。」
隙間なく隙間が詰め込まれたたんぽぽの綿毛が僕に言う。

「あさって土曜日の [水圧の隙間] に是非来てください。
 詳細は活動予定の方に載せてあります。」