2年前のオタマジャクシから一緒に暮らしているカエル君。
毎日娘と餌となる虫を探しに行く。
あんなに沢山いた昆虫が冬は世界から消える。
冬を生きることがこんなに過酷だったとは。
何とか見つけたダンゴムシをカエルに与える。
「ダンゴムシがかわいそう」と娘は言う。
娘が優しい子に育って良かった。と僕は思う。
「ダンゴムシはカエル君の一部になる。
だからカエル君はちゃんと生きなければならない。」
と僕は言う。
僕たちもいろんなものを食べる。
だから僕たちはちゃんと生きなければならない。
ということを僕は娘の心の中にそっと置いた。