やまとアートしゃべるワークショプ「みんなの木」

やまとアートしゃべるワークショプ「みんなの木」

 

NPO法人芸術資源開発機構ARDA「やまとあーとシャベル」の皆様と、昨年に続き草柳小学校3年生のところへ授業に行ってきました。

 

「鑑賞授業」と「表現授業」の2回に分けて行われ、

作品を鑑賞した後に、作者からビデオメッセージが届き、一週間後に作者と描くという、凄くワクワクする流れになっています。

 

今回も「自分が本当に描きたいもの。自分には描けなさそうなもの」を選んでもらいました。

 

明日の自分が立ち向かえる壁の大きさは、乗り越えたピンチの大きさで決まります。

 

「これから絵を描き始めて10分後、全員不安に襲われます。」

と僕は言いました。

 

「このまま描いても失敗するんじゃないかという不安です。

毎日絵を描いている僕もそうだからきっとみんなもそうなると思います。

でもそこから逃げずに20分続けるとちょっとうまくいってるかもしれないという希望が見えてきます。

さらに本気で描き続けると40分後には結構良いかもしれないとだんだん楽しくなってきます。

こうやってピンチを乗り越えると明日にはもっと大きなピンチと戦えます。

なのでまずは10分後の不安をみんなで乗り越えましょう。」

 

絵が得意な子も、苦手な子も、誰が得意で苦手なのか全然分からないくらい全員が一生懸命に描き始めました。

やまとアートしゃべるの皆さんが本当に一人一人を丁寧に見守って励ましてくださったおかげで描けなかった子は1人もいませんでした。

本気の絵が完成した子から枝や葉を描いて世界を広げて友達と繋がっていきます。

 

昼休みの間にみんなの絵を一つの大きな作品にして午後は自分たちの作品で鑑賞会。

コロナ禍で人々を分断していた透明シートは今日は人々を繋いでくれています。

 

子どもたちの描いた小さな生き物はどれも小さなピンチを乗り越えた誇らしげな表情をしています。

隅々までそういう絵に満たされたそれは本当に素晴らしい作品でした。

 

みんなのいろんな色があって虹みたいだと女の子が言いました。

いつもは絵を描くことが苦手な子も今日は楽しかったと言ってくれました。

 

最後に

「自分の絵さえなければもっと良かったのにと思う人いる?」

と僕は聞きました。

 

すると数人の子が手を上げてくれました。

 

僕はその子の絵をみんなの前で剥がしてみせました。

「どう?」

とみんなに聞きました。

「さみしい!!」

とみんなが口々に言いました。

 

もう何も説明はいりません。

自分では何の役にも立ってないと思っていても、存在しているだけでもう役に立っているのです。

あんなに全力を出したのだから。

 

 

この授業は本当に沢山の方々のサポートと協力があってこそ可能になる授業です。

やまとあーとシャベルの皆さま、大和市役所の皆さま、学校の先生方、素晴らしい機会を本当にありがとうございました。