今日もある展覧会の審査結果が届いてなかったので。
また寿命が延びたようだ。
とうっかり窓辺で空を見ている蝶々に言ってしまう。
「一緒にしないでくれ。僕は死ぬために生まれてきた訳じゃない。君だってそうでしょ?」
と蝶々は羽を震わせて怒る。
落ち込む為に挑戦してる訳じゃない。いつだって行けると思うから行ってみるんだ。なのにちょっと弱気になってた。
「ごめんね。」
蝶々はところどころ破れた羽をいっぱいに広げて
「僕はまだまだ死なないよ。今度君と一緒に飛行機に乗るんだ。雲の上まで飛ぶのが僕の夢だからね。」
と僕に言うとまた静かに空を見る。
蝶々の寿命はとっくに過ぎている。飛行機に乗るのは今週の日曜。
励まさないと行けないのは僕の方なのにありがとう。
警備員に止められない事を祈る。