最後の羊

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「最後の羊」 紙.綿.スポンジ

時降る水洞窟の中でいくつ羊を数えただろう。

「私が最後の羊です。これ以上、他に羊はおりません。」
最後の羊が僕に言う。

「つまりあなたが私を眠らせてくれるわけですね。」
僕は言う。

「そのとおりです。つまり僕があなたを眠らせる。または目覚めさせるわけです。」

「ありがとう。」

僕は目を閉じる。

やがてセミの声が世界を支配する日本の夏へ僕は向かう。