フリースローの旅人

バスケットゴールの後ろのベンチに一人の浮浪者 又は 旅人が住んでいる。
毎日、フリースローラインからひたすらシュートを打ち続ける。
周囲には理解出来ない何かと戦いつづけているようで目が死んでない。
その雰囲気から人々は彼を浮浪者ではなく旅人と呼んだ。
「ついに0までたどり着きました。」
旅人は最後の一投へ向かう。
自分自身で作り出した重圧に手が震えるのを押さえきれない。

遊びと本気の差はここにある。


こんな感じの物語を思い浮かべながら時々 僕はバスケットゴールのある公園に行く。

何かと僕は子どもの頃から勝負事の前にはそうしている。
今日は久しぶりの大作に取り組む為の確認として。

フリースローラインに僕は立つ。

入れば+1 外せば-1 +1になるまで帰れない。というゲームをする。
一生フリースローしつづける事になっても辞めない覚悟を持ってこれをやる。

うまく感情移入できれば緊張で手が震える。


地味だけど相当な覚悟がいる心の練習。



説明すると長くなるのでしないけど、本気で絵を描くことはこれと同じ。
そして、自分自身で作り出した重圧などに負けてる場合じゃない。


僕はわずか五本でフリースローを終えるとアトリエにもどって大作に取りかかった。