plan No0

Plan No 0


朝6時に目が覚める。
この一ヶ月間、6:30amにセットされたアラームのベルは
一度も空気を震わすことなく僕に止められ続けている。

アラームを切った僕は浴室のドアを開けたままにしてバスタブのお湯を貯める。
窓ガラスの水滴のドローイングが部屋が加湿されたことを知らせ僕は深呼吸する。

7:00までゆっくりと時間をかけてコーヒーと出来る限りたくさんの量の朝食をとった後、
7:10までお湯につかる。

お風呂から上がるとエアコンのスイッチを切って窓を開ける。
冷たい空気が部屋に流れ込む。
温まった部屋と体が冷えて行くスピードに合わせて一枚ずつ丁寧に服を体にまとっていく。

8:00,ベストコンディションの僕がホテルから制作現場へ移動する。

まるでこれから決勝のレースに向かう何かの選手の様に。


この一ヶ月間、1日も欠かさずにそうやってベストコンディションを作ってきた。
毎日、最高の一筆を壁に叩き続ける為には、それくらい細部にわたって徹底的に、
自分を管理する必要があったし、それに耐えうる為の自分作りを1年かけてやってきた。

1日も失敗して良い日はない。
失敗は成功のもととして自分を慰めたりする隙間は全て塞がれている。
失敗するのなら、それは全て今日までに失敗して乗り越えておくべきことだった。


12月16日僕は全てを完璧にやり遂げた。

この広島滞在中、確認のため 3回 宮島に足を運んだ。
どちらが世界遺産でもおかしくない。と完成した壁画を見て僕は思う。


しかも、最も重要なポイントは、僕はこれだけのことをやり遂げて全然燃え尽きてない。

それどころか次はもっともっとやれるイメージの確信と、
無限に思える力が体の中心で発芽のときを待っているのが分かる。


Plan No0を終えた僕は、Plan No1 「OFFICE BACTERIA 宇宙/惑星」へ
素早く頭を切り替える。


僕はまるで別人のように進化している。




本年も大変お世話になりました。1月、展覧会で皆様にお会い出来ますこと楽しみにしております。
展覧会の詳しい日程は活動予定の方に記載しております。
是非見にいらして下さい。良いお年がやってきます。