【page2】
みにくいあひるの子は顔を上げると遠くの空を見ました。
「わたしは飛べる。」
そうささやいたとたん、あたりがまるでさっきとは別の場所のように輝いて見えました。
ゆっくりと足を踏み出してつばさに意識を集中しました。
記憶の奥にかすかに残る やさしかったおかあさんの声が聞こえたような気がしました。
「ありがとう。わたしはりっぱな白鳥になりました。」
「みにくいあひるのこ page2」
2013 27.5cm×27.5cm キャンバス 油彩