僕は歩き出した最初の一歩目ですでに画家だったので画家を目指したことがない。
だから画家を目指すというのがどういうものなのかは分からない。
でももし誰か一人でも僕が画家を目指すことを応援していたなら僕は画家を目指す人になっていたかもしれない。
目指すことを誰にも応援されなかったからこそ僕は目指すのではなく最初から画家そのものになった。
そのものに対して、例えばキリンに対してキリンはやめた方がいいと言う人はいない。
馬が徐々にキリンになろうとしたりすると「首が長過ぎる」とか反対されてしまう。
もしあのとき画家を目指したら僕は今も何ものにもなれていなかったと思う。
僕はいつでも今すぐ何ものにでもなれる。