ラッコがラッコであること
2021 33.0cm×33.0cm oil on canvas
¥73000- +税
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「僕が動物園で暮らしていることについてどう思う？」
とラッコは言う。
「どうも思わないよ。大事なことは君が君であることだからね。どこにいたって君は君だよ。」
と僕は言う。
「最近泳ぐことの意味が分からなくなってしまったんだ。
餌は探さなくてももらえるし、僕はお客さんを喜ばせるために泳ぐのかな？
前は泳ぐのが凄く好きだったはずなのに最近は泳ぎたいと思わなくなってしまった。」
とラッコは言う。
「それは自分がそうしたいと思ったタイミングで素直にそうしなかったから、
心が思っても無駄だと知って次からそう思わなくなってしまうからなんだ。
僕はタバコをやめた時にこれを発見したんだよ。
吸いたいと思っても吸わないと吸いたいと思わなくなる。
それと同じ仕組みだよ。
何かを思っても、それを無視すると、心が何かを思うことをやめてしまう。
何も思わなくなってしまってからでは遅い。今すぐ泳ごう。」
と僕は言う。
「分かった！僕は今すぐ泳ぎたい。」
とラッコは言う。
「違う！遅い！言わなくていい！思った瞬間に飛び込んでないとダメだ。もう一度やり直し。」
と僕は言う。
するとラッコは本能の反射スピードでプールに飛び込んだ。
「それだ！」
と僕は思う。
「出来た！」
とラッコも思う。
「それが出来ればどこにいたって何をしたって君は君だよ。」
と僕は言う。
気がつくと僕は本能の反射スピードでラッコを描き終えていた。
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このラッコはヨロコビtoギャラリーの企画展『いとしき いのちの いきもの展』で展示しています。
『いとしき いのちの いきもの展』
夏の特別企画ー10人の作家が描いた「いきもの」たち
2021年8月4日(水)～8月11日(水)
2021年8月17日(火)～8月22日(日)
※2021年8月12日(木)～16日(月)は夏期休廊。
ヨロコビtoGalery
https://yorocobito-g.com/ikimono2021/
Tel: 03-5941-7686
作品はギャラリーのオンラインショップからもご購入頂けます。
https://www.yorocobito.com/?mode=cate&cbid=2319018&csid=0&sort=n
