定形外の郵便

2枚の葉書を50円切手2枚でつないで本のような形の手紙を書いた。

2枚の切手は送料の証明の役割だけでなく、全体を斬新なデザインに仕上げていた。

若い郵便局員は先輩に相談した。さらにおじさんの局員も加わって3人で話し合いを始めた。

これまでの経験のどこかの型に当てはめようと3人は知恵を出し合った。

おじさんが閃いた。

本を開いた状態にして持ってきて、定形外だと言った。

さっきまで見たこともない素敵な手紙だったのが、ただの葉書を2枚並べただけの普通の郵便物になった。

いつもどこからか型を探し出してきてそれに僕をはめこみたがる。

そしてそれを断った僕はひとりぼっちになった気持ちになる。

昔はこの感じに潰されそうになった。

軸が弱くて、それを守るのに必死で戦った。

だけど今は大丈夫。

軸が強くなったから、ひとつひとつが軸の装飾品となる。