はすとばら

500年前のイタリアでミケランジェロシスティーナ礼拝堂の天井部分520平方メートルもの広大な面積を
ずっと天井を見上げ、肉体的苦痛に苛まれながらも聖なる図像の装飾で埋め尽くした。

翼の貯蔵庫が終わると同時に次の課題が押し寄せる。
書き記した記憶以外はもう二度と思い出す事も無いのかもしれない。
そう思いながら一つ一つ丁寧に経験を日記に落とす。
過去の記録と今後の計画。
記憶の消滅と希望の増殖。
頭の中がいっぱいになったので外へ出る。

レインボーブリッジを越えてコンテナの並ぶ夜の海岸を歩く。
雲が地上から空を通って反対側の地上まで繋がっている。
地球は空に包まれている事を思い出す。

家に帰ると翼の貯蔵庫はさらに大きな貯蔵庫の中に収まっていた。

そして今日から天井に描き始める。
ミケランジェロがあれをやれた以上、言い訳は許されない。


翼の貯蔵庫へお越しの皆様ありがとうございました。
現在、渋谷のカフェの天井を装飾する絵を描いています。
完成したら場所、営業時間など活動予定の方でお知らせします。
初のドローイング作品の発表になる予定ですので楽しみに期待してて下さい。