警視庁渋谷警察署との対談

道玄坂の真ん中くらいと上の方にある二つの作品を1日だけ糸で結びたいのですがどう思いますか?」
いろんな人に迷惑をかけないために事前に警視庁の道路使用許可係へ行くことにした。
「ダメですね。」無表情にあっさりと警察官は言う。

糸を辿って自分で素敵なものを発見したときの喜びは美術館とかじゃ味わえない。
その喜びはとても大切なものだからもう少し僕は押してみる。

「二つの作品の間に花を点々と置いとくのはどうでしょう?」
「ダメですね。」この人の奥さんや子供はちゃんと幸せだろうかと心配になるくらい無表情で言う。

「二つの作品の間にたまたまタンポポが並んで生えたらどうしますか?」
警察官は少し面倒くさそうにしたけど、僕は無償でこんな嫌な思いをしているのに対して警察官は仕事なんだからそれくらいはしょうがないだろうと思う。

「二つの作品の間にたまたま沢山のアリが列を作ったらどうします?」
僕はも少しだけ頑張ってみる。
警官はしばらく無言でじっと僕の目をにらんで考える時間を稼いでいる。
「ダメですね。」
「アリやタンポポを逮捕しますか?」
「それを置いた人物を特定できれば注意します。」
「ぼくはそれを置くかもしれないけど今のうちに逮捕しますか?」
「仕事上ダメですねとしか言えませんね。」
「分かりました。」

まとめると警察にとってはアリが並んで歩いていようが、タンポポが並んで生えていようがどうでもいいということだと僕は思う。
でもその警官は今度の休みの日にアリの行列を見つけたら子供と奥さんと一緒に辿ってみるかもしれない。
その時はもちろんその先に僕がとびっきりの作品を用意して待っててあげようと思う。

渋谷のレストラン「はすとばら」のドローイングが完成しました。
今はまだプレオープンでオープンは11/1からです。
活動予定の方に詳しく乗せときます。