コンパス

過去の海の絵を超えるとともに雪山での僕をも超えてみせなければならない。
期限は残り一週間を切った。
2つの依頼と2つの課題を抱えた僕はもう一度孔雀に会いに行く。
孔雀が羽を広げて僕を威嚇する。
「いいね。素晴らしいよ。それでも今の僕には足りないんだ。」
羽を震わす孔雀に僕は言う。

蝶チョの本がアトリエに届く。
なつかしく素敵な日々の記憶が蘇る。
「ごめんね。それでも今の僕には足りないんだ。」
いつかの蝶チョに僕は言う。

「もう一度僕に力を貸してくれない?」
僕は白熊に聞いてみる。
「無理だよ。僕は君自身だからね。」
白熊が言う。

4/12。4度目の今日にふさわしいものをもとめて僕は旅に出た。

オーラというものがあるならば、それを全て残らずこの身に宿して。

日が沈み、夜が来て、そんなものは何処にも無いよ。僕が弱音を吐きかけた頃。

マッコウクジラの牙と、蒼とコンパスを僕は受け取る。

クジラの牙を握って僕は家に帰る。
「目には見えないけれど今日に最もふさわしものを手に入れたよ。」
僕が言うと、2つの課題がホイップクリームに変わっていた。

後はコンパスの示す方角へ2滴の泡を搾るだけ.




@今月は2007年4月29日(sunday)にアトリエ公開を行います。