サーカス

外壁工事のためアトリエの居心地がとても悪いのでなるべく外に出ていると素晴らしい場所を発見することになる。


期待で濁らせたイメージはイメージのまま終わる。
透明なイメージはやがて結晶になる。

見晴らしの良いマンションの非常階段にすわってドローイング。
非常事態ではないので誰も来ない。

下の空き地にはキリンとシマウマがいる。
なので僕は非常階段にすわってドローイングをしている。

透明 又は 結晶についてのドローイング

僕は前々から空き地の散歩の際には象がいるイメージを繰り返していたので、
現実に起こっても最初はそれに気が付かなかった。
けれども透明なイメージは必ず現実に起こるので、

サーカスの為の象が空き地で草を食べている。
想像でもなく比喩でもない。本物がいる。
もちろんキリンとシマウマもいる。
同じ空き地の中に僕もいる。
素晴らしいけれど落ち着いていられない。


そういうわけで最近、僕は近くの非常階段に座っている。
時々キリンに目をやると3割の確率で目が合う。
僕の飼っている熱帯魚は9割の確率で目が合う。