風が強い。
どこかへ進んでいるらしい。
たくさんのご来場ありがとうございました。
ひきつづき何かとお楽しみください。
3年の後の春にまたお会いしましょう。
個展初日、並べたドミノの先頭を僕はバレリーナのように指先でそっと倒した。
麦畑の波のように広がる。
枝分かれした物語の一つ一つに足を踏み入れる。
完結したり始めたり、僕はそういう種類の一切を辞めた。
僕は本質の雫になってただ波に身をまかせる。
どうやら最終的にまた僕は警察署にいる。
だけど今回はどうも少し様子が違う。
「なぜ警察になりたかったのかをもう一度詳しく思い出してみてください。」
僕は言う。
「あなたと違って私は組織の中にいます。」
警察官は言う。
「それは言い訳です。カゴから出たほうが良いとは言ってません。
カゴごと動かすべきだと僕は言っている。」
警察官に別れを告げて僕は海へ向かった。
壊れた船がいくつも砂の上に打ち上げられている。
僕は船のスクリューを外して地面に突き刺した。
星ごと前に進めるイメージで僕は地球に乗ってみた。