空白の時間、と僕は久しぶりに日記の白紙の左上に書き込む。
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空白の時間
一ヶ月間。
森での展覧会は瞑想するには十分な時間だった。
答えが何処にも無いという不安を抱いたら、闇に飲み込まれてしまう。
答えが何処にも無いことが当たり前の状態へ。あと少し。
僕は静かな呼吸を聞いている。
発芽の力を蓄えたエネルギーの固まりが寝返りを打つ。
僕は壊さないように、一息でそれを写し取る。
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布団の横に日記帳と鉛筆を置く。
閉じようとしてやっぱりやめる。
青の絵の具をのせて僕も眠る。
誰も記録しない寝返りの時間が今日も始まる。
「寝返りの素描」 2009年 10.5cm×14.8cm 紙、鉛筆、アクリル絵の具