寝返りの素描

イメージ 1

空白の時間、と僕は久しぶりに日記の白紙の左上に書き込む。

..............................................................................

空白の時間


一ヶ月間。

森での展覧会は瞑想するには十分な時間だった。

答えが何処にも無いという不安を抱いたら、闇に飲み込まれてしまう。

答えが何処にも無いことが当たり前の状態へ。あと少し。

僕は静かな呼吸を聞いている。

発芽の力を蓄えたエネルギーの固まりが寝返りを打つ。

僕は壊さないように、一息でそれを写し取る。

..................................................................................

布団の横に日記帳と鉛筆を置く。
閉じようとしてやっぱりやめる。
青の絵の具をのせて僕も眠る。
誰も記録しない寝返りの時間が今日も始まる。


「寝返りの素描」 2009年 10.5cm×14.8cm 紙、鉛筆、アクリル絵の具