岡本太郎現代芸術賞

第16回 岡本太郎現代芸術賞展にて作品を展示します。

展覧会期間 2012年 2月9日(土) ~ 4月7日(日)

会期中は岡本太郎美術館ミュージアムショップにてOFFICE BACTERIAの展示.販売も同時開催致します。

ギャラリートーク 4月7日 14:00~15:00

場所 川崎市岡本太郎美術館

http://www.taromuseum.jp/index.htm

観覧料 一般600円 高大学生.65才以上400円 中学生以下無料
開館時間 9:30~17:00(入館は4:30まで)
休館日 月曜日(2月11日を除く)2月12日(火)3月21日(木)

作品

絵画作品     「2011年の沈黙」 http://blogs.yahoo.co.jp/betterhalf20012001/65230102.html
ワークショップ作品「こいのぼり」   http://blogs.yahoo.co.jp/betterhalf20012001/65607334.html
映像作品     「こいのぼり」    http://youtu.be/HHXCMi6HZYQ
文章作品     「サラダ」       http://blogs.yahoo.co.jp/betterhalf20012001/65210037.html



岡本太郎現代美術賞展についての話1】

2012年のこどもの日。

あのとき僕はワークショップ界、こいのぼり界の2冠をねらうオリンピック選手だった。

その時、突如こいのぼり界の頂点に立ちはだかったのが岡本太郎だった。

岡本太郎のこいのぼり。

僕にとって、こいのぼりのワークショップはどんなものも自分の作品に出来るかどうかへの挑戦だった。
岡本太郎にとってもこいのぼりのデザインを引き受けたのは全く同じ気持ちでの挑戦だった。

「こいのぼりに挑む。」
と彼は言う。

岡本太郎のこいのぼりも美術館の何処かに展示してください。」
と打ち合わせで僕は学芸員に言う。

こいのぼり界の決勝戦に僕は向かう。


岡本太郎現代芸術賞展についての話2】


ゲルニカが爆撃を受けた時、ピカソは急遽ゲルニカを描きパリ万博で発表した。
その作品はピカソを5年間の活動休止にしなければならないほどの威力を放った。

2011年、誰もが自分に出来ることを考えたと思う。

僕は自分の置かれた状況の影響力のなさと無力さを知った。

僕の役割はデモに参加したり署名したりすることでは決してない。

ゲルニカ時のピカソに完全に敗北した僕は悔しさの中で「2011年の沈黙」を描き、沈黙の中で時を育てた。

そして、パリ万博ほどではないけれど、ようやく波紋の出来る場所に雫を落とす機会を得た。

雫を作って 雫を落とす


岡本太郎現代芸術賞展についての話3】


こいのぼりのワークショップに参加したウロコの作者の皆様へ。

あの日、僕は本気で歴史に残るくらいの作品を作りたいので遊びじゃなく全力で力を貸して欲しいと中学生から3才の子供にまで真剣に無理を言いました。

そして皆様はうろこ形に切り抜くのが申し訳ないくらいの予想を遥かに超える力を貸してくれました。

あのとき約束した通り、頂いたウロコはただの子供の遊びではなく本気で美術館も認める美術作品になりました。

皆様がいたから出来た作品です。

参加して頂いた皆様も作者です。おめでとうございます。

是非見に行ってください。

そしてこれからもこのことを忘れず誇らしく生きていってください。

いつか未来で僕や岡本太郎よりずっと素晴らしいこいのぼりを掲げてください。

ぼくたちはまだまだやれるはずです。

これで僕のこいのぼりのワークショップを終わります。
本当にありがとうございました。


岡本太郎現代芸術賞展についての話4】


岡本太郎美術館での最初の打ち合わせで宛名の漢字を間違えてにんべんを付け忘れて送信してしまった。
仲野さんが中野さんになっている。

僕が途方に暮れていると
「イだけあとから送ればいいよ。」
と音楽家のgO君が言う。

そういうわけで僕はロケット型にデザインしたイの作品を作った。

打ち上げに成功する可能性が北朝鮮みたいに低かったので
僕は妻の亜矢子にもOFFICE BACTERIAにも相談せずに実行することにした。

「先日のメールでお名前に にんべんを付け忘れましてすみませんでした。」
僕はにんベんを差し出す。
 
「大切にします。」
と無事にイを取り戻した仲野さんが言う。




最後に、この度は僕を選んで頂き、また気持ちよく展覧会をさせて頂き、関わった皆様、手伝ってくれた皆様
本当にありがとうございました。
このような展示の機会を与えてくださった感謝の気持ちと、賞が頂けなかった悔しさと怒りも合わせ持つバランスのとれた素晴らしい明日へのエネルギーとなっています。
これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。               Teppei Ikehila