オペラシティアートギャラリーprojectNを終えて

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朝、布団の中で寝室に差し込む光の中を蛍のように浮遊する埃の宇宙をただ見ていた。
オペラシティが終わった。と僕は思う。

「始まりの終わり」

予定どおり始まりの気持ちで終わりを迎えることが出来ている。

この新しい体で動き始める前に体の隅々の変化の1つ1つを見落とさないように確かめていく。

さあ起きよう 夏は終わった。




:オペラシティアートギャラリーprojectNを終えて:


「もう一度見に行きたい」「また見に行ってきました」と会期中に出会った人々は言いました。

実際にもう一度行かなくても、もう一度行きたいことが何より僕は嬉しかったです。

そして僕は僕の ”もう一度行きたい場所” のいくつかを思い浮かべました。

それらの魅力を短く説明するのは難しく、ひとことで説明するとやっぱり ”もう一度行きたい場所” でした。

僕は ”もう一度行きたい場所” を見つけること。
その場所をもう一度訪れ、前回の自分と今の自分の対話を楽しむこと。
この2つがとても大好きです。

その時にその場所の様子が前とはすっかり変わっているとそれが出来なくなって悲しくなったり怒りが湧いたりします。

僕の絵が変わるたびに怒る人がいるのはこういう心の仕組みによるものです。
誰も悪くはありませんし、こういうことが起きるのは素晴らしいことです。

僕はこれからも同じことを二度しませんが、みなさまの ”もう一度行きたい場所” がなくなるわけではありません。

僕が描いた絵はこの先もずっと地球のどこかに存在しています。
たくさんの人々の ”もう一度行きたい場所” になった時、またいつか美術館がその役割を引き受けてくれるのだと思います。

僕は僕で、いつまでも皆様の心の中の ”もう一度行きたい場所” の1つでいつづけるのではなく、その場所を増やす方向に全エネルギーを使っていきたいと思います。

これからもぜひ楽しみにしていて頂けると嬉しいです。

本当にありがとうございました。

東京オペラシティアートギャラリーprojectN 53 池平徹兵展は僕の人生に於いて最高に素晴らしい展覧会でした。

Teppei Ikehila



project N53 池平徹兵 http://www.operacity.jp/ag/exh156.php