「全ては美しく」を終えて



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ギャラリーゴトウでの池平徹兵展「全ては美しく」へのご来場ありがとうございました。


僕の絵の一点一点に素直に感動し一生懸命にお客様一人一人に勧める後藤さんの姿は、
そういう行為にあまり前向きではない僕を超越していました。
後藤さんの"自宅に絵を飾ってほしい"という信念は本気のものです。
彼女は絶対に買って後悔させない自信を僕の絵に対して持っているのです。

そして実は、僕の僕の絵に対する自信はそんな後藤さんの自信を余裕で遥かに上回ります。
僕は誰かの部屋を飾りたいと思って絵は描いておらず、
いつだってもっともっと遠くを目がけて矢を放つのです。
それは誰かの部屋を飾る為に描いては決して届かない的なのです。


失敗は成功の元にはならない、絶対に失敗してはならない挑戦が時々あります。
この個展が終わった後に今年の残り全部をかけて僕はそういう絵を描こうと思っています。


失敗出来ない場面で、出来ることを確実にではなく、失敗しそうなことに挑戦する勇気


島根医大のワークショップも、杉並区の生命の壁画も、個展「全ては美しく」も、
力つきるものではなく、
その勇気を蓄えるものにしなければやる意味はありませんでした。


そんな中、僕の個展会場で泣きそうになっている一人のおじさんに出会いました。
どのようなおじさんも人前で泣いたりなんかしたくはありません。
僕はおじさんの涙の表面張力を応援しながら彼を見守りました。

「背中を押してもらえました。」
そう言っておじさんは帰っていきました。

背中を押してもらえたのは僕の方です。



「全ては美しく」


これは正解を選ぶ力ではなく、全てを正解に出来る力をつけたいという思いからつけたタイトルです。

このタイトルの通り無事に、全ては美しく今日を迎えることが出来ました。




沢山のご来場本当にありがとうございました。

一つ一つの出来事から自分の中の大事なものを再確認することが出来ました。

僕がこれから描く絵をさらに楽しみにしていてください。

隣の部屋で個展を開催していた有馬さんからも多くを学びました。

有馬さんの絵の中には僕が描きたかったものが含まれていました。

素晴らしい個展でした。

僕の個展を見終わった後に、まさかまだあんなに素晴らしい個展が待っているなんて誰も思わなかったことでしょう。

この組み合わせは後藤さんの作品だと思います。

後藤さん、ギャラリーゴトウの皆様、一週間本当にお世話になりました。


ありがとうございました。


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photo: toshie