小学校3年生夏休み。
咲哉は朝早くから一人で起きてラジオ体操には参加せずに、
その横を素通りして森へクワガタを探しに行くことに夢中でした。
中でもノコギリクワガタを捕まえて帰ってきた朝は本当に嬉しそうでした。
カブトムシは採らずにクワガタだけを採ります。
カブトムシは夏の終わりに死ぬけど、クワガタは冬眠して来年も会えるからです。
ところが旅行の10日間の留守中に、そのノコギリクワガタを死なせてしまいました。
僕たちはノコギリクワガタを標本にすることにしました。
それ以来、道に倒れている昆虫を標本にすることにはまっています。
蝉やカナブンも100円ショップの箱に入れるだけでこんなにかっこ良くなります。
カブトムシやクワガタのような人気の虫だけでなく、蝶やトンボ、てんとう虫など様々な虫に興味が広がりました。
いよいよ夏も終わりに近づき多くの虫たちが道路に倒れ始めました。
最近は生きた虫を取るのはやめて倒れた虫を探しに行きます。
僕も外に出かけた時は息子にお土産に何か落ちてないか探しながら歩きます。
こうして歩いているとただの移動も少年に返ったような気持ちで楽しいです。