世界はとても美しく、子ども達は本当に楽しそうにはしゃいでいる。
でも僕には大変なことの方が多すぎて心から雪を楽しめてはいなかった。
なかでも2才の娘を抱っこして歩く保育園までの往復一時間は大変だった。
一昨日から今日で3日目。
今朝も凍った路面を滑らないように娘を抱えて保育園まで歩いた。
これもいつかは良い思い出に変わるのだろう、とか考えながら。
滑らないようにゆっくり歩く帰り道、だんだん自分に怒りが湧いてきた。
こんなビクビクした歩き方は自分に全く似合ってない。
滑りたくないと思うから恐れてしまうのだ。
最初から滑るつもりで走ればいい。
僕は階段なんてやめて森の斜面を全力で駆け抜けた。
もう止まれないので木々をギリギリでかわしていく。
人が作った道を慎重に歩いていたさっきまでとは別世界だ。
これでこそ世界は美しい。