島根県立美術館 Blue Earth

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初めての個展で絵を買ってくれたおばあちゃんと20年ぶりに再会しました。
3年前の島根の個展で案内状を送った時に「老人ホームに入ります。老い先短い身ですので買った絵をお返ししましょうか?」とお手紙をもらいました。
絵を大事にしてくれていることが伝わってくる素適なお手紙でした。
それなのに僕はなかなか返事を書かずに3年も経ちました。
今回の個展の案内状に「絵は返さなくていいですから楽しんでください」とお返事を書いたら老人ホームをたった1人で抜け出して来てくれました。
1人でここまで来れたのが信じられない状態で目の前に立っていました。
急いで美術館の車椅子を借りに走って乗せました。
お返事を書くのに3年もかかった申し訳なさと、こんなに一生懸命に来てくれた感動で涙が出そうになりました。
手紙の返事を3年も怒らずに待ってくれていたおばあちゃんを抱きしめて謝りたい気持ちでいっぱいでした。
車椅子を押して会場を案内していると「想像してた以上だわ。」と何度も嬉しそうに僕の手を握って握手してくれました。
帰りに1万円もお小遣いをくれました。
いつも個展を楽しみにしていた僕のおばあちゃんや妻のおばあちゃんはもう見に来ることが出来ません。
このおばあちゃんを通じて全てのおばあちゃん達が僕の個展を見ているような気がしました。
6日間で1000人を超えるお客さんに見に来て頂きました。
僕の家の前に住んでるおじちゃんとおばちゃんも東京から見に来てくれたり日本中から沢山の人が見に来てくださいました。
もうこれ以上良い事があったら怖いくらいの毎日でした。
島根での個展、本当に最高でした。
本当にありがとうございました。

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