花火

始まりの日にテラスの風欄は小さな線香花火を咲かせた。

上空の夏空の上から覆いかぶさる様に雷の音がする。
雨粒の音楽家が雲の上にいるのかもしれないと僕は思う。

深く深く意識を潜水させてHIGUREへ向かう。4年前に雨粒の音楽家が現れた日の様に。

ステファンと料理の打ち合わせをする。ステファンとはすぐに仲良くなれた。
そこへJhonneWalkerが現れた。
みんなプラスティックばかりだとジョニーウォーカーは日本を見渡して不愉快そうに言う。
そして僕の絵の良いところとそうでないところを的確に言い当てる。

世界一大きな犬をジョニーウォーカーは飼っているらしい。
家にこれから来ないかと言われたけど、僕は終電が満員電車だと凄く怖くなってまた気を失うかもしれないので早めに帰る。
でもジョニーウォーカーとはもう一度話してみたいと思う。

テラスの風欄は2つ目の線香花火を咲かせようとしている。
僕は隣でキャンバスに大輪の花火を咲かせようとしている。
お互いこれからどんどん咲かせる予定だからとても気が合う。

2006年第3章は申し分無く始まった。