1000年後の赤いsofa

1000年後僕は何をしているだろう。

何色であれ僕は赤に喩える事が出来る。
6年間僕の居場所であった赤いsofaは実際に赤である必要はなくなった。
トラックに乗って新しい場所へ運ばれていく。
僕の中で一つの歴史が終わるような寂しい気持ちで見送る。

亜矢子の生まれたときから使っている30年前のsofaがアトリエに届く。
引っ越したように景色が変わる。何かに僕は期待する。

準備は整った。

他の何かを同時進行する訳ではなく、ただひたすらに一枚の絵に向かっているので、全体を見ると進み具合はいつもより早い。
ただキャンバス上の葉の色が良くなった事以外今日の変化は何もない事だけを見ると気持ちは焦る。

だから僕は1000年先を考える。
僕はもう絵を描いていないかもしれない。
でもこの絵は存在していなければならない。
絵の中で僕は描き続け、絵の中で赤いsofaは僕の居場所であり続けなければならない。