It snowed all day

あり得ない角度で世界にパスを出す。
それが僕の作品だからね。

分かりやすい企画書とは対照的に、
分かりづらい比喩のもつれた毛糸を転がす。
それが僕の作品だからね。

時に、千載一遇のパスを誰も受け取らない場合もある。
悲しいけどしょうがない。
それが作品としての僕だからね。

僕は降り続ける雪の中に暖かさを探すしか無かった。

楽家が正確に僕のパスを受け取る。
天性の膝のバネと、壊れた肩で。
まるでチャンネルを合わせるかのように正確に。


転がされて戻って来た毛糸は余計にもつれて分かりづらくはなっていたけど明らかに進化していた。
退化し続ける世界をまとめて進化の方向へ傾けるくらいの力を持って。
それこそが作品としての僕達だからね。


白銀の世界に春の兆しを見付けると、僕のパスはまた進化する。