夏休みの終わり

遠くの空を雷が裂く。

久しぶりにアトリエに帰ってきた。
夏休み終わり。

封印を解くような気持ちでアトリエの扉を開く。
室内に飾られた絵たちは、留守にした間にすっかり僕の体から切り離されていた。

「こんなにも僕の絵は凄かった?」
亜矢子に尋ねる。
返事は返って来ない。

二人ともしばらくの間、自分たちの家に圧倒されて言葉を失う。

「たいしたことはない。すぐに超えるよ。」
一足おくれていつもの僕も帰ってきた。

夏休み終わり。

遠くの空に雷が咲く。