地面とアロンアルファ

地面を蹴る。しつこく地面が足を掴む。

やるべきことをやることと、そうは思えないことを断るのは、
方角的には同じだけど精神的には全然違う。
その為、僕は足を地面につかまれている。

それでも一本の線を見極めるために、不必要な線はきっぱりと断ち切る。
なるべく丁寧に断りながら、進むべき方角をしっかりと見据える。
これでは進む時が来ても僕には余力が残らない。

個展の展示がはじまる。進むべき時。
誰かのいたずらでバイクの鍵がアロンアルファーで固定されていた。
信じられないアクシデントに余力の少なかった僕は完全に力尽きた。
僕はアロンアルファーで固定された為、前には進めない。
家に引き返す。地面がさっきよりしっかりと足をつかむ。

悩んだ結果、ペンチで鍵を壊す。
せっかくなのでバイクの鍵を壊す間、多くの意味で鍵を壊す。
多くの鍵を断ち切って山奥にある個展会場に到着する。
最初のたった一枚の絵を飾っただけで状況が一変する。
地面が足を離す。

10/20~11/4 個展「深海の惑星」 詳しくは活動予定の方をご覧下さい。