無意識の部屋

何も入って来ない変わりに何も出て行かないファミレス効果。
それに加えて何もすることがないホテルの一室に僕はいる。
机の上のメモ用紙に僕は書きとめる。

無意識の部屋。と僕は書く。

終電車が終わって作業用の列車がゆっくりと走る眠る町。
何もない真っ白な冬の世界の下で眠る熊と春を待つ草の芽。
帰って来れないかもしれないギリギリの迷子の恐怖とワクワク感。
窓の外の闇夜と布団の中の闇夜。

こたつの中を覗くのが好きだったことを思い出す。
時間が許す限りいつまでもこたつの中に頭を突っ込んでいたことを思い出す。
掃除の時、こたつ布団がテーブルの上にあげられていて中が丸見えになってるこたつを見ると、
いつもがっかりした気持ちになっていたことを思い出す。


オレンジの部屋で僕は見る。


僕はこたつの天井画を描き、
スイッチで灯りと曲が流れ出す。

最後に、
今日までの実力の全てが展示され、心の中ではその全てを壊して次へ進んでいる。
と僕は書く。