溶け残った雪が洗濯機の泡のように。

町が洗濯されて輝いて見えた。

僕は牛乳石けんの香りが一番の大好物で、
一つ一つにホルスタインの彫刻が施された石けんを床にタイルのように並べると、
それだけでたぶん夢のような空間が出来上がる。

ホルスタインを一個 ポケットに入れると僕は外へ飛び出した。

時々 ポケットの牛を 取り出して深呼吸。

溶け残った雪が洗濯機の泡のように。

町も僕も洗濯されて澄んだ空気が世界を満たす。