2006-01-01から1年間の記事一覧

七夕のタクシー

爆発のエネルギーに対抗するのではなく。 引力の力でそれを上回る事。 食事の時間意外は水泳にそそいだ山奥での合宿の様に、 全てが絵のためにそそがれた海外での修行の様に、 風欄の咲いた7/1. 今月から3ヶ月間やってみる事にした。 7日目の七夕の夜、肩…

新聞屋とオレンジジュース

絵を描いていると、新聞屋がやってきた。 断りたくないので頼まないで下さい。 新聞屋が帰って行く。 かわいそうだけどしょうがない。 アトリエに戻る途中で買ったばかりのオレンジジュースをたっぷり床にこぼしてしまった。 本当にたくさんの量だったので、…

花火

始まりの日にテラスの風欄は小さな線香花火を咲かせた。 上空の夏空の上から覆いかぶさる様に雷の音がする。 雨粒の音楽家が雲の上にいるのかもしれないと僕は思う。 深く深く意識を潜水させてHIGUREへ向かう。4年前に雨粒の音楽家が現れた日の様に。 ステフ…

呼吸

1万円の大きなキャンバスをアトリエに運ぶ。 1万円の服を買うよりも、帽子を買うよりも、食事をするよりも、温泉につかるよりも、1万円で出来ることの何よりも、僕はこの絵が描きたいのだということになる。そこにいつも迷いは無い。 100万円の制作費をかけ…

蛍と葡萄

Dr.フィッシュにつつかれて6/12日から続いた微熱がやっと下がった。 とても長い微熱だったので医者も僕もとても困った。 手品師が葡萄を宙に浮かべる。 透明な糸が見えている。 だから僕は驚けない。本当は驚いてあげたいし驚きたい。 透明な糸を切ってみる…

95羽の小鳥と赤いsofa 2006 27.0cm×27.0cm 🔴

次から次へと舞い降りる 色とりどりの鳥たちを 僕はひたすらキャンバスに描き留める

翼の貯蔵庫(予告)

洞窟の中なのに天井は見えない。 宇宙の終局を思い出すくらいに天井は息をひそめている。 鍾乳石が天に昇り、鍾乳石が天から下がる。 そのふもとにはまたさらに奥へ続く洞窟が口を開けている。 昔ここを支配した藤壺達を毎日休まず打ち寄せる波達がピンク色…

アジサイ

町の至る所にあじさいの花が咲く。僕はガクアジサイの方が好き。 花だけをみて歩くことにする。町中に散乱した文字は意識的に読まない。 病室では元気になった先生が退屈そうに本を読んでいる。 自分が何を話したのか覚えていられないから君が変わりに覚えて…

preserve wings 2006 瓶 油彩 流木 紙 タンポポの綿毛 布

昔から僕は瓶が好きで瓶を集めたがる。 いろいろ入れて瓶の中に宇宙を作る。 小学校の頃のリニヤモーターカーの授業の後、瓶のいろんな箇所に磁石を貼付けて、クリップや磁石をつけた紙の魚がどうにか宙に浮かないかといろいろ試した。でもどうしても一番強…

流星の離陸地点 2006 145.0cm×160.0cm キャンバス 油彩

地平の彼方 夜の結晶たちが宇宙へ飛び立つ

炎のトナカイ 2006 27.5cm×27.5cm キャンバス 油彩 🔴

燃え上がれ 炎のトナカイは 埋もれた存在価値に告ぐ

トンネルの向こうの老人ホーム

製作中の新しい大作もいよいよ最後の仕上げの段階に入ったので、その前にいつもの地下道へ行く。 昔トロッコが走っていた細長いトンネルが5つ続く山の中へと入る。 今日はトンネル内に霧が立ちこめている。引き返したくなるほどの人を寄せ付けない空気。 こ…

世界一の師

とても分厚く、とても重く閉ざされた扉の前で、「この先は家族以外は入れません。」と言われる。 「それは血が繋がっているかどうかという質問ですか?」と僕は訪ねる。 そこに出来た一瞬の沈黙に「僕たちは家族です」と素早く言葉を埋め込む。 白衣を着せら…

翼と観覧車

道に翼が落ちていた。靴がそろえて置いてある様に。 まるで翼を置いてちょっと何処かへ出掛けたかのように。 それがとても欲しくなったけど冷静に考えればそれは鳥の死骸なのでやっぱり辞めた。 でもとても死骸には見えないくらいそれは一対の翼だった。 明…

プールとヲハヨーのアイス

パレットに絵の具を出しすぎて、昨日は深夜まで絵を描いた。 だから今日は目覚めが悪い。カーテンの隙間から夏が覗いているのに。 目を覚ますため、朝食の後すぐにプールへ行く。 サンマルタン運河の水門が開き、水かさが徐々に増していく。 僕はパンヲショ…

散歩についての研究

F10号の額縁が家の窓の大きさとぴったりサイズが合うことに気がついて、窓枠を絵の額縁にした。 心地よい風がベランダの窓からさっき額縁を取り付けた窓へ吹き抜ける。散歩の季節が来た。 心の内に潜む巨大な絵画を覆う厚い雲。 その層を一つ一つ剥がして表…

昨日と明日の通過点とデザインフェスタ

用意されたほとんどの場合の今日は昨日の記憶を明日へ渡すだけの通過点。 だけど僕はそう簡単には通過させない。 塩コショウをさらに加えたり、時には半分しか明日へ渡さなかったりする。 すると今日は混乱し、明日が慌てだす。 明日が楽しみになる場合もあ…

花々と水の森 2006 27.5cm×27.5cm 油彩 キャンバス メディウム

遠い森の永久に続く渓流を聞き 柔らかい光に変えて投げ返す

とても特殊な誕生日

今日は特別な誕生日だったから、この気持ちをずっと忘れないように。 14日 誕生日前日 大好きなサーモンの刺身とイチゴのショートケーキを買って亜矢子と誕生日を向かえる準備。 夕食を食べて、go君からもらった入浴剤でお風呂にはいって、ケーキを食べて僕…

Cadenza 2006 69.5cm×42.0cm×38.5cm 椅子、油彩

雨粒のリズムに青が溶ける場所

夜空の星と画家

夜の小学校のグランドの真ん中で星をみる。 一つの星を見続ける。 その星はそれに応えるかのように動き出す。どの星で試してみても同じ。 やらなくちゃいけないことが多すぎると、やりたかったことまで、やらなくちゃいけないことに変化する。 僕は画家だか…

森の地底

GWが終わりまたそれぞれがそれぞれの方向へ向かって進み始める。 いつかと同じ場所に立ったときに感じる、前にここにいた自分と、今ここにいる自分の感覚的な違い。 時間の経過によって生まれるものではなく、急激な成長によってのみ生まれる現象。 目に見え…

椅子の上の宇宙と花一番

久しぶりに椅子の制作。世界中に捨てられた椅子達はいつか僕に拾われることを夢見て、風雨に耐えて待っている。 ゴミ捨て場の椅子が美術館でライトを浴びる。なんて素敵な光景だろうと思う。 椅子の上に新しい宇宙を生み出す。ここに別の星を誕生させる。 絵…

雲の上の晴れた世界

黄砂を抜けて、さらに上空の雲を越え、雲の届かない高さまで行くと、世界は晴れた。 曇っても、雨が降っても、その上には晴れた世界がある。 上空から見る海はいつも止まって見える。船も波も貼付けられた模型の海のよう。 どう見ても何かの理由でこちら側と…

アリ達の旅の物語

朝起きるとパソコンが蟻の巣になっていた。 モグラ叩きのように、キーを押すたびに蟻が顔を出す。 びっくりして焼きすぎたトーストのかけらが口に刺さった。 痛みに夢じゃないことを証明されて、余計に混乱した。 蟻は餌を手に入れれば自分の家に帰る。 この…

ソーダ水の宇宙船 2006 33.0×33.0cm キャンバス 油彩 🔴

無垢なる夜空の星々が熟れて 地球の白紙の部分に降り注ぐ

定形外の郵便

2枚の葉書を50円切手2枚でつないで本のような形の手紙を書いた。 2枚の切手は送料の証明の役割だけでなく、全体を斬新なデザインに仕上げていた。 若い郵便局員は先輩に相談した。さらにおじさんの局員も加わって3人で話し合いを始めた。 これまでの経験のど…

100kmの小鳥

100年前の世界新記録は今では軽く超えられるように。 広い水槽に入れた金魚が大きくなるように。 植物が鉢のサイズに合わせて成長するように。 努力を超えた自然の法則はきっとあるけれど、 固体になるか液体になるか紙一重の0度の状態で、 液体になっても気…

東京到着

朝、岩田先生からの電話で目が覚める。 今島根にいるから会えないよって言おうと思ったら、ここは東京だった。 あわてて電話を切る。そういえば昨日の夜、東京に着いたんだった。 目覚めた場所が何処か分からなくなるくらい、今回の島根滞在は長く深く焼きつ…

Blue earth 御来場ありごとうございました。

ようやく桜も咲き始め、島根にも春がやってきましたね。 数え切れないほどの元気と勇気と感動をこの1週間の間に頂き、今は調子に乗りすぎないよう注意しながら日々を過ごしています。 本当にありがとうございました。またいつかここで必ず個展を開きます。 …